役員等の通達

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第1款 役員等の範囲

(役員の範囲)

9-2-1 令第7条第1号《役員の範囲》に規定する「使用人以外の者でその法人の経営に従事しているもの」には、相談役、顧問その他これらに類する者でその法人内における地位、その行う職務等からみて他の役員と同様に実質的に法人の経営に従事していると認められるものが含まれることに留意する。

(法人である役員)

9-2-2 法第2条第15号《定義》に規定する役員には、会計参与である監査法人又は税理士法人及び持分会社の社員である法人が含まれることに留意する。(平19年課法2-3「二十二」により追加)

(代表権を有しない取締役)

9-2-3 会社法第2条第7号《定義》に規定する取締役会設置会社以外の株式会社の取締役が定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めたことにより代表権を有しないこととされている場合には、当該取締役は令第71条第1項各号《使用人兼務役員とされない役員》に掲げる役員のうち同項第1号に掲げる者には該当しないことに留意する。
 株式会社以外の法人の理事等で同様の事情にある者についても、同様とする。(昭55年直法2-8「三十二」により追加、平19年課法2-3「二十二」、平20年課法2-5「十七」により改正)

(職制上の地位を有する役員の意義)

9-2-4 令第71条第1項第2号《使用人兼務役員とされない役員》に掲げる「副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員」とは、定款等の規定又は総会若しくは取締役会の決議等によりその職制上の地位が付与された役員をいう。(昭55年直法2-8「三十二」により追加、平19年課法2-3「二十二」により改正)

(使用人としての職制上の地位)

9-2-5 法第34条第5項《使用人兼務役員》に規定する「その他法人の使用人としての職制上の地位」とは、支店長、工場長、営業所長、支配人、主任等法人の機構上定められている使用人たる職務上の地位をいう。したがって、取締役等で総務担当、経理担当というように使用人としての職制上の地位でなく、法人の特定の部門の職務を統括しているものは、使用人兼務役員には該当しない。(昭45年直審(法)58「3」、平19年課法2-3「二十二」により改正)

(機構上職制の定められていない法人の特例)

9-2-6 事業内容が単純で使用人が少数である等の事情により、法人がその使用人について特に機構としてその職務上の地位を定めていない場合には、当該法人の役員(法第34条第5項括弧書《使用人兼務役員とされない役員》に定める役員を除く。)で、常時従事している職務が他の使用人の職務の内容と同質であると認められるものについては、9-2-5にかかわらず、使用人兼務役員として取り扱うことができるものとする。(昭45年直審(法)58「3」により追加、平19年課法2-3「二十二」、平23年課法2-17「十八」により改正)

(使用人兼務役員とされない同族会社の役員)

9-2-7 令第71条第1項第5号《使用人兼務役員とされない同族会社の役員》の同族会社の役員には、次に掲げる役員が含まれることに留意する。(昭55年直法2-8「三十二」により追加、平19年課法2-3「二十二」により改正)

(1) 自らは当該会社の株式又は出資を有しないが、その役員と法第2条第10号《同族会社の定義》に規定する特殊の関係のある個人又は法人(以下9-2-7において「同族関係者」という。)が当該会社の株式又は出資を有している場合における当該役員

(2) 自らは当該会社の令第4条第3項第2号イからニまで《同族関係者の範囲》に掲げる議決権を有しないが、その役員の同族関係者が当該会社の当該議決権を有している場合における当該役員

(3) 自らは当該会社の社員又は業務を執行する社員ではないが、その役員の同族関係者が当該会社の社員又は業務を執行する社員である場合における当該役員

(注) 令第71条第1項第5号に規定する株主グループの所有割合の計算については、1-3-1《株式会社における同族会社の判定》から1-3-8《同一の内容の議決権を行使することに同意している者がある場合の同族会社の判定》までの取扱いを準用する。

(同順位の株主グループ)

9-2-8 令第71条第1項第5号《使用人兼務役員とされない同族会社の役員》の規定を適用する場合において、第1順位の株主グループと同順位の株主グループがあるときは当該同順位の株主グループを含めたものが第1順位の株主グループに該当し、これに続く株主グループが第2順位の株主グループに該当することに留意する。(昭45年直審(法)58「3」により追加、昭55年直法2-8「三十二」、平19年課法2-3「二十二」により改正)

(注) 例えば、A株主グループ及びB株主グループの株式の所有割合がそれぞれ20%、C株主グループ及びD株主グループの株式の所有割合がそれぞれ15%の場合には、A株主グループ及びB株主グループが第1順位の株主グループに該当しその株式の所有割合は40%となり、C株主グループ及びD株主グループが第2順位の株主グループに該当しその株式の所有割合は30%となる。

第4款 事前確定届出給与

(事前確定届出給与の意義)

9-2-14 法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に規定する給与は、所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給される給与をいうのであるから、同号の規定に基づき納税地の所轄税務署長へ届け出た支給額と実際の支給額が異なる場合にはこれに該当しないこととなり、原則として、その支給額の全額が損金不算入となることに留意する。(平19年課法2-3「二十二」により追加)

(確定額の意義)

9-2-15 法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》の「確定額」には、現物資産により支給するもの、支給額の上限のみを定めたもの及び一定の条件を付すことにより支給額が変動するようなものは、これに含まれない。(平19年課法2-3「二十二」により追加、平28年課法2-11「六」により改正)

(注) 同号に規定する特定譲渡制限付株式及び承継譲渡制限付株式による給与は、まず役員の役務の提供の対価として当該役員に生ずる債権の額が確定され、当該債権に係る役務を履行するために譲渡制限付株式(令第54条第1項《譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例》に規定する譲渡制限付株式をいう。以下9-2-15の2おいて同じ。)が交付されるものであるから、本文の「現物資産により支給するもの」には該当しない。

(過去の役務提供に係るもの)

9-2-15の2 役員の過去の役務提供の対価として生ずる債権に係る債務を履行するために交付される譲渡制限付株式は、法第34条第1項第2号((事前確定届出給与))に規定する「特定譲渡制限付株式」に該当しないため、該当譲渡制限付株式による給与の額は、同号に掲げる給与として損金の額に算入されないことに留意する。(平28年課法2-11「六」により追加)

(職務の執行の開始の日)

9-2-16 令第69条第2項及び第3項第1号《定期同額給与の範囲等》の「職務の執行の開始の日」とは、その役員がいつから就任するかなど個々の事情によるのであるが、例えば、定時株主総会において役員に選任されその日に就任した者及び定時株主総会の開催日に現に役員である者(同日に退任する者を除く。)にあっては、当該定時株主総会の開催日となる。(平19年課法2-3「二十二」より追加、平19年課法2-17「二十」、平28年課法2-11「六」により改正)

第6款 過大な役員給与の額

(役員に対して支給した給与の額の範囲)

9-2-21 令第70条第1号イ《過大な役員給与の額》に規定する「その役員に対して支給した給与の額」には、いわゆる役員報酬のほか、当該役員が使用人兼務役員である場合に当該役員に対して支給するいわゆる使用人分の給料、手当等を含むことに留意する。(平19年課法2-3「二十二」により改正)

(使用人としての職務に対するものを含めないで役員給与の限度額等を定めている法人)

9-2-22 令第70条第1号ロ《限度額等を超える役員給与の額》に規定する「使用人としての職務に対するものを含めないで当該限度額等を定めている法人」とは、定款又は株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものにおいて役員給与の限度額等に使用人兼務役員の使用人分の給与を含めない旨を定め又は決議している法人をいう。(平19年課法2-3「二十二」により改正)

(使用人分の給与の適正額)

9-2-23 使用人兼務役員に対する使用人分の給与を令第70条第1号ロ《限度額等を超える役員給与の額》に定める役員給与の限度額等に含めていない法人が、使用人兼務役員に対して使用人分の給与を支給した場合には、その使用人分の給与の額のうち当該使用人兼務役員が現に従事している使用人の職務とおおむね類似する職務に従事する使用人に対して支給した給与の額(その給与の額が特別の事情により他の使用人に比して著しく多額なものである場合には、その特別の事情がないものと仮定したときにおいて通常支給される額)に相当する金額は、原則として、これを使用人分の給与として相当な金額とする。この場合において、当該使用人兼務役員が現に従事している使用人の職務の内容等からみて比準すべき使用人として適当とする者がいないときは、当該使用人兼務役員が役員となる直前に受けていた給与の額、その後のベースアップ等の状況、使用人のうち最上位にある者に対して支給した給与の額等を参酌して適正に見積った金額によることができる。(昭55年直法2-8「三十二」、平19年課法2-3「二十二」により改正)

(使用人兼務役員に対する経済的な利益)

9-2-24 法人が使用人兼務役員に対して供与した経済的な利益(住宅等の貸与をした場合の経済的な利益を除く。)が他の使用人に対して供与されている程度のものである場合には、その経済的な利益は使用人としての職務に係るものとする。(平19年課法2-3「二十二」により改正)

(海外在勤役員に対する滞在手当等)

9-2-25 法人が海外にある支店、出張所等に勤務する役員に対して支給する滞在手当等の金額を令第70条第1号ロ《限度額等を超える役員給与の額》に定める役員給与の限度額等に含めていない場合には、同条の規定の適用については、当該滞在手当等の金額のうち相当と認められる金額は、これを当該役員に対する給与の額に含めないものとする。(平11年課法2-9「十一」、平19年課法2-3「二十二」により改正)

(他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したものの意義)

9-2-26 法人が、使用人兼務役員の使用人としての職務に対する賞与を、他の使用人に対する賞与の支給時期に未払金として経理し、他の役員への給与の支給時期に支払ったような場合には、当該賞与は、令第70条第3号《過大な役員給与の額》に規定する「他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したもの」に該当することに留意する。(平19年課法2-3「二十二」により改正)

(使用人が役員となった直後に支給される賞与等)

9-2-27 使用人であった者が役員となった場合又は使用人兼務役員であった者が令第71条第1項各号《使用人兼務役員とされない役員》に掲げる役員となった場合において、その直後にその者に対して支給した賞与の額のうちその使用人又は使用人兼務役員であった期間に係る賞与の額として相当であると認められる部分の金額は、使用人又は使用人兼務役員に対して支給した賞与の額として認める。(昭55年直法2-8「三十二」により追加、平19年課法2-3「二十二」により改正)

第8款 使用人給与

(生計の支援を受けているもの)

9-2-40 令第72条第3号《特殊関係使用人の範囲》に規定する「役員から生計の支援を受けているもの」とは、当該役員から給付を受ける金銭その他の財産又は給付を受けた金銭その他の財産の運用によって生ずる収入を生活費に充てている者をいう。(平10年課法2-7「十」により追加、平10年課法2-17「五」、平19年課法2-3「二十二」、平22年課法2-1「十八」により改正)

(生計を一にすること)

9-2-41 法人が令第72条第4号《特殊関係使用人の範囲》により特殊関係使用人の判定を行う場合については、1-3-4《生計を一にすること》を準用する。(平10年課法2-7「十」により追加、平10年課法2-17「五」、平19年課法2-3「二十二」、平22年課法2-1「十八」により改正)

(厚生年金基金からの給付等がある場合の不相当に高額な部分の判定)

9-2-42 法人が法第36条《過大な使用人給与の損金不算入》の規定により特殊関係使用人に対して支給する退職給与の額のうち不相当に高額な部分の金額を判定する場合において、退職した特殊関係使用人が、その退職した法人から退職給与の支給を受けるほか、厚生年金基金からの給付、確定給付企業年金規約に基づく給付、確定拠出企業型年金規約に基づく給付若しくは適格退職年金契約に基づく給付又は独立行政法人勤労者退職金共済機構若しくは所得税法施行令第74条第5項《特定退職金共済団体》に規定する特定退職金共済団体が行う退職金共済契約に基づく給付等を受ける場合には、当該給付を受ける金額(厚生年金基金からの給付額については、旧効力厚生年金保険法第132条第2項《年金給付の基準》に掲げる額を超える部分の金額に限る。)をも勘案して法第36条に規定する不相当に高額な部分の金額であるかどうかの判定を行うものとする。(平10年課法2-7「十」により追加、平10年課法2-17「五」、平15年課法2-7「二十三」、平15年課法2-22「八」、平19年課法2-3「二十二」、平26年課法2-6「三」により改正)

(支給額の通知)

9-2-43 法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合のその支給額の通知は、令第72条の3第2号イの支給額の通知には該当しないことに留意する。(平10年課法2-7「十」により追加、平19年課法2-3「二十二」、平22年課法2-1「十八」により改正)

(同時期に支給を受ける全ての使用人)

9-2-44 法人が、その使用人に対する賞与の支給について、いわゆるパートタイマー又は臨時雇い等の身分で雇用している者(雇用関係が継続的なものであって、他の使用人と同様に賞与の支給の対象としている者を除く。)とその他の使用人を区分している場合には、その区分ごとに、令第72条の3第2号イの支給額の通知を行ったかどうかを判定することができるものとする。(平10年課法2-7「十」により追加、平19年課法2-3「二十二」、平22年課法2-1「十八」、平23年課法2-17「十八」により改正)